健康長寿の秘訣は、3つに収まる

健康で長生きしたい。

ほぼ全ての人の願いだと思います。

インターネットを検索すると、健康情報が山のように目に飛び込んできます。

それは良いことなのでしょうが、余りにも情報が多く、また玉石混交している為、それらの情報に翻弄されて、却って苦しくなり、外来を受診する人が幾人もありました。

出来るだけ簡潔に、健康長寿の秘訣を表す必要があると思います。

 

健康長寿であるためには?

日本人の死因、寝たきりになる原因を知り、それらを避ける生活を送れば、健康で長生き出来るでしょう。既に厚生労働省が統計を示しています。

 

死因:第一位~第五位

 

ガン・心臓病・肺炎・脳卒中・老衰(平成24年 人口動態統計)

 

寝たきりの原因:第一位~第五位

 

脳卒中認知症・衰弱・骨折・関節疾患(平成22年 国民生活基礎調査

 

よって、これらの病気を避ける生活を送れば、健康で長生きできる可能性が、グッと高まります。

 

脳卒中が重なっている為、全部で9つの病気が出てきました。

9つの病気、全ての対策を覚えるのは大変です。

実は、これらの病気は、3つにまとめることが出来ます。

 

健康長寿の秘訣は、3つに収まる

その3つとは、血管の病気・運動器の病気・ガンです。

 

血管の病気:心臓病・脳卒中認知症

運動器の病気:骨折・関節疾患

血管の病気・運動器の病気・ガンの結果、肺炎・衰弱・老衰が起こります。

 

よって、血管の病気を避け、運動器の病気を避け、ガンを早く見つけて治療すること、これが健康長寿の秘訣です。

 

9つの病気が、このように分類される理由を、説明します。

 

血管の病気:心臓病・脳卒中認知症

人の体は、37兆の細胞で出来ていると言われています*1

細胞が生きるためには、栄養と酸素が必要です。ほとんどの細胞は、自ら動くことは出来ません。人の体には、栄養と酸素を、細胞まで届ける仕組みがあります。この仕組みを担っているのが、血管とその中を流れる血液、そして、血液を動かす心臓です。

血液の流れが途絶えると、細胞はたちどころに死んでしまいます。例えば、心臓が10分止まり、血液の流れが滞ると、脳が死んでしまい、回復することは困難と言われています。

この血液の流れを保つ仕組みの中で、血管が最も痛みやすい臓器です。血管が痛んだことで起こるのが、9つの病気の内の3つ、心臓病・脳卒中認知症の3つです。

 

心臓病

心臓病の代表が、心筋梗塞です。心臓は、血液を体中に流すポンプの役割をしています。心臓は、小さな筋肉細胞が集まって出来ており、それらの筋肉は、心臓の周りに張り巡らされている、冠動脈という血管から血液を受け取って生きています。この冠動脈が詰まって、心臓の筋肉が動かなくなることを、心筋梗塞と言います。心筋梗塞は、ご存知のように、致命的な病気です。この病気は、血管が痛むことで引き起こされる病気です。

 

脳卒中

脳卒中とは、脳出血脳梗塞の二つを言います。脳出血とは、脳の血管が衰えて破れた時に起こる病気です。脳梗塞とは、脳の血管が衰えて詰まった時に起きる病気です。いずれも、血管が痛んだ結果起きる病気です。

 

認知症

認知症が、なぜ血管の病気なのか、この記事で説明すると長くなるので、機会を改めて記載したいと思います。

 

運動器の病気:骨折・関節疾患

運動器とは、私たちが運動するときに使う、筋肉・骨・関節を言います。骨折と関節疾患が運動器の病気であることは、明らかなので、説明を省略します。

 

血管の病気・運動器の病気・ガンによって起きる病気:肺炎・衰弱・老衰

 衰弱・老衰は、上記の病気の結果起きるのは、明らかだと思います。肺炎が、血管の病気・運動器の病気・ガンによって起きる理由は、この記事で説明すると長くなるので、別の記事で説明したいと思います。

 

以上、健康長寿の秘訣は、3つに収まる。3つとは、血管の病気を避け、運動器の病気を避け、ガンを早く見つけて治療することである、ということを、ご理解いただけましたでしょうか?

分かりにくいところがあれば、ご意見を頂けると幸いです。

*1:An estimation of the number of cells in the human body Eva Bianconi et al, Annals of Human Biology Volume 40, 2013 – Issue 6 Pages 463-471: 05 Jul 2013 DOI:10.3109/03014460.2013.807878